予防治療とは
予防治療とは、定期的に歯科医院で口腔状態をチェックし、良好な状態をキープし続けるものです。歯科医院は歯が痛くなってから行くのが一般的ですが、むし歯になり、歯を失なってからでは手遅れです。また、歯周病で溶けてしまったあごの骨は元に戻りません。
世界で一番予防が進んでいるスウェーデンでは、大人の定期的な歯科健診受診率が80%以上であり、子供に至っては100%近い水準です。日本はわずか10%に過ぎず、むし歯や歯周病が悪化してしまう環境にあります。
半年に一度定期健診に行くことで口腔状態を良好に保つことが可能です。当院では「一生涯自分の歯で食事をする」ことを目標に予防治療をおすすめしています。
歯周病とは
歯周病は細菌感染症であり、生活習慣病でもあります。炎症が歯茎(はぐき)にとどまっているものが歯肉炎で、あごの骨まで達してしまったものを歯周炎と言います。歯槽膿漏は歯周炎のことをさします。
歯が抜ける原因のナンバーワンは、今も昔もこの歯槽膿漏です。歯槽膿漏は自覚症状がないまま進行しますので、とても怖い病気といえます。30歳以上の日本人の80%が羅漢している(病気にかかっている)といわれ、まさに国民病といえます。
歯垢(しこう:プラーク)とは、歯根の表面に付着し、増殖する細菌が作り出した柔らかな構造物をいいます。プラーク1mgの中には1億個の細菌がいると言われています。粘着性が強く、うがいをした程度では除去ができませんので、丁寧なブラッシングが欠かせません。
歯石は、プラークが唾液の炭酸カルシウムイオンにより石灰化したものでブラッシングでは除去できませんので歯科医院でのクリーニングが必須です。また、一度除去しても、4ヶ月ほどすれば再付着します。
歯周ポケットの深さ(数値)を測ることは歯周疾患の状態を見極めるうえで重要な検査です。
つまようじ法とは・・歯周病予防と治療に有効なブラッシング法
です
つまようじ法とは歯周病の予防と治療に有効なブラッシング法です。
歯ブラシを歯と歯の間に入れて、歯ぐきをマッサージし。歯肉に刺激を与えることにより血行が良くなり、健康な歯肉を維持することができます。
「歯ぐきから膿が出る」「歯ぐきから出血する」「口臭がある」「歯ぐきが腫れてブヨブヨしている」「硬いものが噛みづらい」といった症状の方に是非とも試していただきたいブラッシング法です。
つまようじ法を行なうことにより、歯ぐきから出血することがありますが、ブラッシングのマッサージ効果で歯ぐきが強くなり、出血は通常1~2週間で止まります。
岩崎歯科クリニックではブラッシング法の一つとしてこのつまようじ法を推奨しています。
ご自分でブラッシングをしていただくのが最良なのですが、なかなか最初は難しいため、初めのうちは術者ブラッシング(口腔内での施術)を行ない、その感覚を覚えていただいています。
皆様も是非当院でご体験下さい。
ご自身での磨きが難しい方は、当院で常時行なっていますのでお気軽にご相談ください。
つまようじ法専用歯ブラシの磨き方・・表側の磨き方
(前歯)
下の歯を磨くときは、毛先を上に向け歯と歯のはぐきの境目に当てます。
上の歯を磨くときは毛先を下に向け、歯と歯の歯ぐきの境目に当てます。
そのまま、毛先を歯の先端に向かって滑るように動かします。
毛先が歯間に入ったら、元の位置まで戻します。
この動きを1カ所約10回繰り返します。
※写真は下の前歯の外側から当てています
※歯ブラシはつまようじ法専用のもので、当院 ではPMJVの「V7](ブイセブン)を推奨しています。
つまようじ法ブラッシング・・表側の磨き方(奥歯)
毛先を歯間に当てる角度は、ほぼ直角が目安です。
下の歯はやや上向きで、上の歯はやや下向きです。
歯間に毛先を入れて、出してと1カ所10回程度繰り返しマッサージします。
※写真は下の奥歯に外側から当てています。
つまようじ法ブラッシング・・裏側の磨き方(奥歯)
裏側は歯ブラシの先端を使い歯間をつつくように、1ヶ所10回出し入れを繰り返します。
歯間の大きさに合った毛の量が入っていきます。
※写真は下の奥歯を内側から磨いているものです。
●歯の表面やかみ合わせの部分など、部位によってはつまようじ法以外
の磨き方も用いて下さい。V7歯ブラは1本で全体を磨き上げることができます。
●矯正治療中の方や、インプラント部のブラッシングにも 適しています。
●つまようじ法は歯周病の予防と治療のための磨き方です。むし歯予防には、フッ素入り歯磨き剤の使用をお勧めします。歯ブラシにフッ素入りの歯磨き剤をつけて、磨き方をつま
うじ法にすれば、歯周病予防とむし 歯予防になります。
エアフローは微細なパウダーとジェット水流でバイオフィルム(歯についた細菌の塊)や歯間の汚れを除去します。
エアフローは、歯のクリーニング方法のひとつですが、スケーラーを使い歯石を剥がす一般的なクリーニング方法とは異なり、専用機器の先端から歯の表面に細かいパウダー粒子、水、エアーをジェット水流で噴射することにより歯垢や着色汚れ、そして歯周病の原因となるバイオフィルム(歯にこびりついた細菌の塊)を除去する画期的な方法です。
また、従来のクリーニング方法では除去しにくかった歯間や歯周ポケットなどの複雑な部位のよごれも除去することができ、歯周病予防に大きな力を発揮します。
治療に使用するパウダーはエリスリトールという糖アルコールで(キシリトールの仲間)虫歯の原因菌であるミュータンス菌への抗菌作用を持ち、キシリトールより齲蝕(うしょく)予防の効果が高いとされています。また歯周病菌のバイオフィルム形成を阻害する作用もあり、歯周病予防にも効果があります。
※齲蝕(うしょく)とは、歯の表面のカルシウムが溶けることによって、茶色や黒色に変色したり、穴ができたりする病気です。
エアフロープロフィラキシスマスター(※以下、エアフロー)はスイスの精密工学と長年の研究開発の融合で生まれた最先端の口腔ケアシステムです。
エアフロ―ハンドピース(エアフロ―の機器)
エアフロ―施術機器の基本的な装置で、天然歯や捕綴(ほてつ)物、イインプラントからバイオフィルム、ステイン、から早期の歯石を除去します。1回の施術で清掃を行ないます。
ペリオフロ―ハンドピース(エアフロ―の機器)
ペリオフローとプラスパウダーは次の症例に対応しています。
①歯肉縁下のバイオフィルム除去(デブライドメント)
②歯周炎、インプラント周囲炎の予防
③歯肉炎、インプラント周囲粘膜炎の初期および継続治療。
ペリオフローノズルは、今日の予防とインプラントのメンテナンスのやり方に革命をもたらしました。ペリオフローは軟部組織、硬組織の両方に優しい方法で、歯周ポケット、インプラント表面および歯間スペースの侵襲性のより低い治療を可能にします。
ピエゾンハンドピース(エアフローの機器)
ピエゾンハンドピースはピエゾンとPSチップを用いて、エアフロ―を用いたあとにまだ残っている歯肉縁上・歯肉縁下の歯石を除去します。
エアフロ―施術例 ・・着色汚れの除去
エアフローは、歯の着色を気にされる方にとって、有効な施術といえます。コーヒーや紅茶、赤ワインなどを好んで 飲む方や喫煙される方は歯に着色が生じやすくなります。このような着色汚れは、通常の歯磨きではなかなか落とし切れませんが、エアフロ―により効果的に除去が可能です。
エアフロ―は、細かい粉末と水、エアーを使い歯に吹き付けることにより頑固な着色汚れを取り除くことができます。歯が黄ばみやすい方やつやが失われていると感じる方はエアフロ―の施術により、明るい印象を与えることが期待できます。
さらに、エアフロ―は歯を傷つけることが少なく、痛みをともなわないため、敏感な歯を持つ方でも安心して受けられる施術です。また、エアフロ―は歯の表面をクリーンに保つため、施術後の着色汚れがつきにくくなる効果もあります。
エアフロ―施術例・・バイオフィルムの除去
エアフローは、微細なパウダーをジェット噴射することで、歯の表面や歯間の汚れを素早く取り除くクリーニング方法です。従来の方法と比べて施術時間が短縮されるため、忙しい方や時間に余裕がない方でも気軽に受けられるのが魅力です。写真では、着色後エアフロ―を行なうことでバイオフィルム(歯の表面の細菌の塊)が綺麗にとれています。
また、効率的に汚れを除去できるだけでなく、歯や、歯茎への負担も少ないため、快適にクリーニングを受けることができます。
エアフロ―施術例・・歯石の除去


歯石は口腔内に残った食べかすや、プラークが硬化したもので、通常のブラッシングだけでは除去が難しく、放置すると虫歯や歯周病の原因になりかねないため、定期的な除去が必要です。エアフロ―は従来の金属器具を用いる手法より歯を傷つけるリスクは少なく、痛みも感じにくいため敏感な歯をお持ちの方も安心して施術を受けることができます。
エアフロ―は歯石だけでなく、歯ぐきに付着したばい菌や不純物も取り除くことができるため、口腔内の清潔を高めることができます。
エアフロ―の費用と頻度

エアフロ―は画期的なクリーニング方法で施術時の患者様の負担感も小さいのですが、現状、険適用外の施術となるため、当院では1回あたり4,400円の費用をいただいております。
エアフロ―は、口腔内をクリーンに保つお手伝いをしますが、健康な口腔環境を維持し続けるには日々のお手入れに加え、エアフロ―の定期的な施術が必要となります。施術の頻度は、患者様の生活スタイルや口腔内の状態によって異なりますが、当院ではおよそ3カ月に1度の施術をおすすめしています。